防毒マスクを使用できる作業環境

以下の記載は、日本呼吸用保護具工業会技術委員会が発行した『防毒マスクの取扱説明書等に記載することが望ましい事項』(2006年度3月版)に準拠しています。資料をご希望の場合には、ご連絡ください。

  1. 酸素濃度18%以上の環境であること。
  2. 使用しようとする防毒マスクに対し、環境空気中の有毒ガス等の平均濃度(推定される個人ばく露濃度)が表1のいずれも超えないこと。ただし、防毒マスクの1日の使用時間が30分未満の場合は、表2を適用することができます。
  3. 常温・常湿及び常圧の環境であること。

表1 防毒マスクが使用できる有毒ガス等の濃度の上限

マスクの
種類
濃度の上限
安衛法による 工業会による
直結式小型 0.1% 全面形の場合
ばく露限界※3
N1倍まで
半面形の場合
ばく露限界の
10倍まで
直結式 1.0※1%
隔離式 2.0※2%

N1は、次の値とする。
防護係数を測定した場合は、その防護係数計数値(ただし、100が上限値)。防護係数を測定しない場合は、50とする。

表2 1日の使用時間が30分未満の場合に、防毒マスクが使用できる有毒ガス等の濃度の上限

マスクの
種類
濃度の上限
安衛法による 工業会による
直結式小型 0.1% 全面形の場合
ばく露限界※3
N2倍まで
半面形の場合
ばく露限界の
30倍まで
直結式 1.0※1%
隔離式 2.0※2%

N2は、次の値とする。
防護係数を測定した場合は、その防護係数計数値の3倍(ただし、300が上限値)。防護係数を測定しない場合は、150とする。

安衛法の「防毒マスクの規格」において、マスクの種類ごとに使用できる環境濃度の上限が定められています。
しかし、顔とマスクの隙間からの漏れ(密着性)等を考慮し、海外の規格を参考にして、より高い安全を求め、ばく露限界の倍数による上限で判断することを示したものが、表1、2です。
有毒ガスの環境濃度が、表1、2に示す濃度のうちひとつでも超える場合には、送気マスク又は自給式呼吸器をお使いください。

※1
アンモニアは1.5%
※2
アンモニアは3.0%
※3
ばく露限界
日本産業衛生学会の勧告する許容濃度値を適用します。
ただし、許容濃度が定められていない有毒ガス等にあっては、ACGIH(米国産業衛生専門家会議)の勧告するTLV-TWAを適用します。
※TLV-TWA(時間荷重平均値)
1日8時間、1週40時間の平常作業で有害物質に繰り返しばく露されたとしても、ほとんどすべての作業者に健康障害を招くことがないと考えられる気中濃度の時間荷重平均値を示します。
安衛法
労働安全衛生法
工業会
日本呼吸用保護具工業会技術委員会
全面形
顔全体を覆うもの
半面形
鼻及び口近辺のみを覆うもの

作業環境に適した吸収缶や面体を選択しないと、防毒マスク本来の能力が発揮できないだけでなく、作業者が危険な状態に陥ることがあります。