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CBRN災害活動用装備品

化学剤及び生物剤の漏洩、流出、拡散又は散布の事故並びにテロに伴う、原因物質の有害性又は有毒性に起因する災害を対象とした、総務省消防庁「第2編 化学災害又は生物災害時における消防機関が行う活動マニュアル」が発行されています。
「CBRN災害」の"CBRN"とは、[化学:Chemical]、[生物:Biological]、[放射性物質:Radiological]、[核:Nuclear]を指す頭字語です。

レベル別の該当製品の例

呼吸用保護具
化学防護服

区域(ゾーン)の概要

化学災害及び生物災害時の消防活動における区域とは、危険度に応じた活動区域の設定(ゾーニング)のことであり、危険度の高い順にホットゾーン、ウォームゾーン、コールドゾーンに区分されています。
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区域(ゾーン) 含まれる場所・区域 機能
ホットゾーン
原因物質に直接接触する可能性のある区域
  • 化学剤又は生物剤そのもの、化学剤又は生物剤の収納容器等の残留物が目視で確認(液体等)できる場所及び液体等による曝露危険がある付近一帯
  • 建物の区画、構造及び空調などの設備上、化学剤又は生物剤が拡散したと思われる場所
  • 人が倒れている、人がうずくまっている付近一帯
  • 簡易検知器により反応がでる付近一帯
  • 小動物等の死骸や枯木草が確認できる付近一帯
  • 曝露者のものと思われる吐しゃ物、血液等がある付近一帯
ウォームゾーン
直接的な危険性は少ないが潜在的危険区域。主たる危険は二次汚染
  • 化学剤又は生物剤が存在しない場所に汚染された人(物)があらかじめ来ると予測され、汚染の管理ができている付近一帯
  • 曝露者集合場所
  • 1次トリアージ
  • 除染所
コールドゾーン
直接の危害が及ばない安全区域

(消防警戒区域内でホットゾーン及びウォームゾーン以外の区域)

  • 2次トリアージ
  • 救護所
  • 現場指揮本部

防護措置の区分

PDF「防護措置の区分」はこちら

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レベルA レベルA防護措置とは、全身化学防護服を着装し、
自給式空気呼吸器にて呼吸保護ができる措置である。
必須装備 陽圧式化学防護服
(自給式呼吸器内装形気密服)

JIS T 8115:2010・ISO16602タイプ1a適合品

引張強さ
クラス4以上
縫合部強さ
クラス5以上
引裂強さ
クラス3以上
摩耗強さ
クラス3以上
EN943-1・EN943-2
ただし、耐透過性少なくとも1種類の化学物質でクラス3以上
NFPA1991:2005
化学物質対応手袋(アウター)
化学物質対応ブーツ
自給式空気呼吸器(酸素呼吸器は不可)
トランシーバー又は無線機
保安帽(防護服下に着用)
選択装備 防寒用下着
冷却ベスト
活動服(防護服下に着用)
インナー手袋(潤滑のため)
レベルB レベルB防護措置とは、化学防護服を着装し、
自給式空気呼吸器又は酸素呼吸器にて呼吸保護ができる措置である。
必須装備 化学防護服
(液体防護用密閉服)

JIS T 8115:2010・ISO16602タイプ3適合品

引張強さ
クラス3以上
縫合部強さ
クラス4以上
引裂強さ
クラス2以上
摩耗強さ
クラス2以上
EN943-1・EN943-2
ただし、耐透過性少なくとも1種類の化学物質でクラス3以上
NFPA1994:2012
クラス3
化学物質対応手袋(アウター)
化学物質対応ブーツ
自給式空気呼吸器又は酸素呼吸器
トランシーバー又は無線機
保安帽
選択装備 防寒用下着
冷却ベスト
活動服(防護服下に着用)
インナー手袋(潤滑のため)
レベルC レベルC防護措置とは、化学防護服を着装し、自給式空気呼吸器、
酸素呼吸器又は防毒マスクにて呼吸保護ができる措置である。
必須装備 化学防護服
(浮遊固体粉じん及びミスト防護用密閉服)
JIS T 8115:2010・ISO16602
タイプ5及び6適合品
EN14605
NFPA1992:2012
化学物質対応手袋(アウター)
長靴
自給式空気呼吸器、酸素呼吸器又は防毒マスク
空気中を漂う原因物質の種類及び濃度が確認され、当該物質が防毒マスクに装着する吸収缶の使用条件に適合した場合のみ使用すること。
保安帽
選択装備 防寒用下着
冷却ベスト
活動服(防護服下に着用)
インナー手袋(潤滑のため)
トランシーバー又は無線機
レベルD レベルD防護措置とは、化学剤・生物剤に対して防護する服を着装しておらず、
消防活動を実施する必要最低限の措置である。
必須装備 防火衣
活動服
手袋
編上げ又は長靴
N95又は感染防止マスク
保安帽又は防火帽
保護メガネ
選択装備 トランシーバー又は無線機

レベル別活動隊の
活動範囲と消防活動

PDF「レベル別活動隊の活動範囲と消防活動」はこちら

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区域(ゾーン) レベル別活動隊(防護措置) 活動項目
原因物質推定前
(発生が疑われる
場合を含む。)
原因物質推定後
化学災害 生物災害
ホットゾーン

レベルA活動隊

レベルA活動隊

レベルC活動隊

  • 簡易検知活動
  • ホットゾーンの設定
  • 救助活動
  • 危険排除
    (剤の収去、剤の収納容器の収去)

レベルB活動隊

ウォームゾーン

レベルB活動隊

レベルB活動隊

  • ウォームゾーンの設定
  • 歩行可能な曝露者の誘導
  • 集合管理(生物災害時に限る。)
  • 1次トリアージ
  • 除染活動

レベルC活動隊

コールドゾーン

レベルC活動隊


レベルD活動隊

レベルD活動隊

レベルD活動隊

  • 情報収集
  • 消防警戒区域及びコールドゾーンの設定
  • 進入統制ラインの設定
  • 広報・避難誘導
  • 2次トリアージ
  • 救急活動

化学剤の種類によっては、レベルB活動隊がホットゾーンで活動できない可能性があるため、専門家の指示に従う必要がある。